Specialized S-Works 7 シューズ インプレ

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しばらく履いてみたので、所感を書いてみる。今まではBontのRiot+を履いていた。Bontの熱成形できるカーボンソールは非常に良かったが、Riot+にはBoaが1つしかないためにアッパーのフィット感がイマイチでそこがずっと気になっていたが、それがS-Works 7を試すキッカケだった。

足入れをしてみると、スペシャライズドが謳う「ワットを1滴たりとも無駄にしない」というモットーの通り、S-Works 7はアッパーの形状とつま先の小さいベルクロ、甲に配置された2つのBoaダイヤルの位置が絶妙で、フィット感がすごい。靴の中で足が全くズレることをしない。そしてその状態から踏み込むことで感じるソールの硬さ!思わず笑ってしまうほど硬い。シューズを横から見ると分かるが、カーボンソールの厚みがかなりある、ガチガチに硬いソール。今までに履いたシューズの中で1番硬いソールだと思う。

まあ足入れの段階で分かるが、もう明らかに初心者やポタリング向きではない。初めてのサイクリングシューズがコレだと自転車に乗るのが嫌になるだろう。でもある程度脚力のある経験者やレース志向の方は、きっと気に入ると思う。足がズレないフィット感、シューズとの一体感はペダリングのダイレクト感につながる。ガチガチに硬いソールは、ある程度以上の出力でペダリングをして初めて良さが出る。強く踏んでいる時に快適性を発揮する。

繰り返しだが、ポタリングをする方や初心者の方、もしくは長距離を乗るブルベにも、向かないかもしれない。好みもあるだろうが、ある程度アッパーのフィットの余裕、クッション性がある方が血流的にも足が楽だろうし、ソールもここまで硬い必要はない。ペダリング、円運動の軌跡の乱れをある程度許容するシューズの方が、楽に、快適に、長く着用していられるはず。

サイクリングシューズ選びはスキーブーツと似ているように思う(昔、スキーをかじっていた)。上級者になると硬いフレックスのブーツが好みになってくる。レーシングブーツなんかは信じられないくらい硬いし、インナーも薄い、快適性もない。キッチリ足を包み込んで細かい脚の動きをスキーに伝えることを優先して作ってある。そういうレーシングブーツはレーススピードで滑降した時にやっと良さを発揮するのであって、緩斜面をボーゲンで滑っていても硬くて不快なだけ。それと同じようなことがサイクリングシューズでもあると思う。スキーブーツのように区分けをするならば、このS-Works 7は、まさしく「レーシングシューズ」。